本格派と本格的の違いとは?同じような意味だと思われがちですが、それぞれ異なった意味を持っており、それぞれ違いもあります。「本格的な~」「本格派~」のように使いますが、違いはあるのでしょうか。
本格派と本格的の違いについて説明していきます。
「本格派」とは?意味
本格派とは、本来のやり方や様式に沿っているものという意味です。野球で使われる場合の本格派とは、速球を武器として速球を中心にピッチングする投手という意味があります。
例えば「本格派中華料理」という場合には、従来の中華料理の調理方法やレシピなどを受け継いでいる、より品質の高い中華料理のことを指します。「これぞ中華料理!」と言いたくなるような中華料理のことで、我流で生み出されたものを本格派と呼ぶことはありません。
そのため、中華料理と和食をミックスしたオリジナルの料理がどんなに美味しくても、それを本格派と呼ぶことはできません。
新たな文化に本格派と名付けるのではなく、長い間続いてきた伝統や文化に「〇〇の本格派」「本格派〇〇」とつけられることが多いです。
本格派の例文
- 今年のドラフトの目玉は左の本格派、160キロを超える豪速球が武器のA投手だ。
- そのA投手が好きなのは、東京にある本格派中華料理のお店のチャーハンだ。
「本格的」とは?意味
本格的とは、「すっかりそのようになること」「これまでの様式・やり方に沿っているさま」「本調子になっていくこと」という意味があります。
「すっかりそのようになること」とは「本格的に風が強くなってきた」「本格的に風邪を引いた」というように後ろに続く言葉を強調することもできます。
「これまでの様式・やり方に沿っているさま」では「本格的な韓国料理」などですね。
「本調子になっていくこと」では「受験勉強が本格的に始まる」「サッカー日本代表が本格的に始動する」など「いよいよ」といった感じです。
本格派と似たような意味もありますが、「本格的」のほうが日常生活の中で使われる機会が多いです。
本格的の例文
- 本格的な梅雨のシーズンに突入した。
- ジメジメするので湿気対策を本格的に始めないといけない。
- 少子化問題に本腰を入れて本格的に取り組んでもらいたい。
本格派と本格的の違い
本格派と本格的には似ている意味もありますが、「料理」を例にして説明すると多少のニュアンスの違いがあることがわかります。
本格派中華料理の場合は、「長年中華料理を作ってきたプロがこれまでと同じやり方で作った高品質な中華料理」を指し、本格的な中華料理の場合は、「素人が作ったけどまるでお店で出されるかのようなクオリティーの高い中華料理」のことを指します。
「本格的な」の場合はレベルは高いが独自のアレンジなどを加えていることが多く、料理の場合で使われるとその歴が浅い傾向にあります。