「当事者」と「本人」の違いとは?どちらも意味が似ているような言葉ですが、実は明確な違いが存在します。
何気なく使っている場合でも、その使い方が誤っている場合もあるので正確な意味を覚えておきましょう。
「当事者」と「本人」の違いや意味・例文をそれぞれ説明してきます。
「当事者」とは?その意味
当事者(とうじしゃ)とは、その出来事に直接関係のある人物という意味です。当事者は1人の場合もあれば、複数人いる場合もあります。
たとえば、自転車をこいでいた田中さんと佐藤さんがぶつかってしまい、事故を起こしてしまった場合を考えてみましょう。この場合は2人とも事件に直接関係あるので、田中さんと佐藤さんが当事者ということになります。
では田中さん・佐藤さんが2人で仲良く帰宅中に、複数人の不良グループに絡まれてしまった場合を考えてみます。この場合は田中さんと佐藤さん・不良グループがこの出来事に直接関わっているため、全員が当事者となります。
もしあなたがこの事件や出来事に加わらず近くから眺めている場合には、「直接関係がある」とは言えないので、当事者にはなりません。それは第3者と言います。
当事者を使った例文
- 私がこの事件に首を突っ込んでしまったため、私も当事者の1人となってしまった。
- 当事者間の話し合いに関係のない第3者が入ってくると、話がさらにややこしくなってしまった。
- 彼の不動産売買を手伝ったことがきっかけで、私も事件の当事者となってしまった。
「本人」とは?その意味
本人(ほんにん)とは、紛れもなくその人自身を指す言葉です。その人数は1人だけになります。
「本人確認をさせてください」という場合にはその人自身であり偽っていないかどうかを確認するということです。
「彼本人が」「彼女本人に」「張本人」という使い方もされ、「自分」以外の人を指す言葉にもなります。
本人を使った例文
- 念のため、本人確認書類を見せてください。と職務質問をされてしまった。
- 痩せたいかどうかは彼本人が決めることであり、周囲の人が口を出すことではない。
- 彼女本人になりすまして電話をかけてきたのは、なんと彼女の母親だった。
「当事者」と「本人」の違いとは?
以下のように表で簡単にまとめてみると、その違いがよりわかりやすくなります。
当事者 | 本人 | |
意味 | その出来事に直接関係のある人たち | その人自身 |
人数 | 複数 | 1人 |
「当事者」はその事件や出来事に直接関係のある人たちのことで、事件の場合には被害者・加害者が当事者にあたります。そのため当事者の人数は1人ではなく大勢いることもあります。
それとは逆に「本人」とは「その人自身」のことであり、本人は1人しかありえません。
「当事者」と「本人」は人数の違いやその意味で明確な違いがあるため、使用する際には気をつけて使いましょう。