「夙に」は「つとに」と読みますが、この言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「つとに知り合い」が正しい表現ですが、「最近つとに」など間違って使用している人もいます。
「夙に(つとに)」の意味や使い方・例文・類義語をわかりやすく説明していきます。
「夙に(つとに)」とは?
「夙に」は「つとに」と読みます。日常会話で使う人は少ないですが、文学作品の中では使われることもあるため、知っておいて損はないでしょう。
「つとに」という発音のために、「特に」「急に」など間違った意味で使われることのある言葉ですが、正しい意味をみていきましょう。
「夙に(つとに)」の意味
夙に(つとに)とは、以前から・ずっと前からすでに・早くから、という意味です。「夙に知っていた」という場合には前からすでに知っていた、という意味になります。
ですが日常の中で使われることの少ない言葉であるため、知ったかぶりで間違った意味を堂々と使ってしまっている人もいます。
「最近つとに」は間違った使い方
よくある間違えに「最近つとに」という誤表現があります。
- 最近つとに思う。私はあの人が好きだったのだと。
意味を知らない人からすれば、文学的なカッコいい表現にも見えますが、直訳すると「最近以前から」と意味の通らない言葉になってしまいます。
おそらく「最近特に」という強調する意味で使っているのだと思われますが、この使い方は間違いです。
夙に(つとに)の正しい使い方と例文
- 彼女が彼のことを好きだということは、村民からつとに周知されていた。
ここでいう「つとに」は以前からすでに、という意味です。
- 明日は農作業があるため、朝つとに起きて作業をしないとな。
この場合の「つとに」は、早い時間からという意味で使われています。
- 彼がこの仕事に不向きだということはつとに感じていたが、どうしても不動産業界で働きたいようなのでこのまま静観することにした。
「つとに感じていた」=以前から感じていたという意味になります。
夙に(つとに)の類義語
夙に(つとに)の類義語には、「前から」「すでに」「以前から」などが挙げられます。「つとに知られている」「つとに思っていた」「つとに感じていた」のように使われることが多いので、このフレーズで覚えておくと誤用しなくて済むでしょう。
間違って使われる言葉だからこそ、しっかりと意味を理解して使うようにしましょう。